時間が惜しい
「ギィィ・・・」
(・・・ん・・?誰?こんな時間に・・・)
スタスタスタスタ
足音は、私のベッドの前で止まった。
(眠いのに・・・帰ってくんないかなぁ・・てかドア閉めてほしいよ)
そんなことを考えていると、部屋に入ってきた誰かが
「起きろ」
と言って棒のような物を私の腹部に押し付けてきた。
「あだだだだ!!!痛い痛い痛い痛い!!そんな物でえぐるな!!バカバジル!!」
「黙れ」
「OK!!黙って起きるからそれ退けて!!」
「断る」
「なんでぇぇぇ!!??」
この男・・・バジルは槍の柄を離さない。
私は必死に抵抗しているつもりだけどビクともしない。
すると部屋の外をパパイアが通りかかった。
「Help!Help!パパイアHelp!」
「ん?どうしたんだい?」
いや・・・どうしたんだい?じゃなくて・・・
「・・この状況見て分かんないかな〜?コイ・・・バジルが苛めてくるから助けてほしいの〜!」
「そんなの自分で何とか・・・」
「できないから言ってるの〜!!」
「やれやれ」
そう言うとパパイアが部屋に入ってきた。
この状態で話すの辛いんだから!ほんとに!
「バジルくん。女の子を苛めちゃいけないよ?」
おお!今回はまともなこと言ってくれるじゃない!
「くんだからまだいいけど」
「ちょっと待って。それどういう意味?」
くんだからってそれ・・・
私だったらどこがいいのよ!
!そういえば・・
「なんで私を起こしたのよバジル?」
「シシカバブー様に呼ばれているからだ。」
「ふーん。って、え!?うっそ!どうして言ってくれなかったの!!?その為に起こしに来たんでしょ!?」
「起きた時間が思ったより早かったからな。」
「・・・・は?」
誰でもこれは起きるって。
痛いって。退けてよ槍。
「じゃあ今から仕度するから出て行ってよ」
するとバジルは槍を退けてくれた。
なるほど、こう言えばよかったのか。
「なるべく早く済ますから。」
言い切る前にバジルとパパイアは部屋から出て行った。
「じゃあ私は行くよ。バジルくん。」
「・・・ああ」
そう言ってパパイアと別れた。
オレは部屋の前で を待った。
いつも思うが、何故こんなに遅いのだろう。
すでに10分は経っている。
オレが本当のことを言ったらお前は怒るか?
本当は、シシカバブー様に呼ばれてなんかいない。と
少しでもお前と一緒にいたかった。なんて本音は言えないが。
バジルさん頑張って!!