殺人中毒





「あーあ・・・暇だねー・・・」

「うるさいね。静かにするね。」

「うー・・・・」

今、 、フェイタン、クロロは幻影旅団のアジトで留守番をしている。


(団長とフェイタンが残るってゆーのは珍しいよね・・・。それ程今回の仕事は簡単ってことなの かなー)


そう。 を除くこの二人は、いつもの活動ではほとんど出て行っている。

は旅団に入って間もないため、鍛練も兼ねて留守番をしていた。だから、いつ も一人だったために、嬉しいような、不思議な違和感があっ た。



三人は各々のことをしており、フェイタンは の隣で本を読んでいる。クロロも自室で本でも読みあさっているのではないだ ろうか。

は鍛練を終えて暇を持て余していた。




「ところでさ、さっきからフェイタン・・・何読んでるの?」




が問うと、フェイタンは本の表紙を見せた。

表紙には『超簡単!!楽しい拷問の仕方 HARD編第七巻』と書いてあった。




「『・・・楽しい拷問の仕方 HARD編第七巻』・・・・そんなの読んでて面白い?」

「堪らないね。見てるだけでゾクゾクするよ」

「あっそ・・・・」





にはフェイタンの思考が分からず、苦笑いをするしかなかった。

フェイタンは間違いなくドSだろう。先程から本のページをめくる度に笑っているのか、目を細め たりしている。



服の襟がマスクの様に顔を覆い、鼻から上しか見れない為に本当かどうかは定かではない。

だが、フェイタンの性格から考えて、笑って目を細めているに違いない。




(・・・ん?『超簡単』・・・・?何が簡単なんだろう・・・。道具を揃えることかな?しかも HARD編って・・・。シリーズ化してるし・・・)




が気になって本をジロジロと見ていると、フェイタンが の方を見た。




「何か用か?さきから人のことジロジロと・・・」

「いや・・・フェイタンのことを見てたわけじゃ・・・。本が表紙だけだと謎過ぎるなー・・・と 思って?」

「この本が気になるか?そちの方にいかん(一巻)から置いてあるよ。読んでみるといいね。」

「別に読みたいとは思ってないけど・・・」



(一巻から持ってんのか!!流石フェイタン・・・。てかどっから盗ってきてんだろう、そんな 本)


そして は、ふと座っているフェイタンの足元を見た。

そこには一冊の分厚い本があった。



「あーっ!!!その本団長が読んでみたいって言ってた本!!」



はその分厚い本を指差して言った。

前に は団長と話している時に、「探している本がある」と言っていたことがあっ た。



その時に、その本の写真を見せてくれたのだった。

本は、赤黒い表紙にハンター文字ではない何かの文字が刻まれていて読めなかったが、そのおかげ で一目で は「団長が読みたいと言っていた本」と分かったのだ。



「団長拷問に興味あたか?」

「ち、違うよ!その足元にある赤黒くて分厚い本・・・」

「・・・ああ、これね。ワタシが読んでるこの本盗てくる時にはさまてたやつね。表紙も中も読め なかたから捨てるとこだたよ。」

「え!?うっそ!よかった〜捨てる前で・・・」


(・・・・挟まってた?)


と、少し疑問が浮かんだが、すぐにどうでもよくなった。


「ね、フェイタン。その本譲ってくれない?」

「・・・その後どうするか?」

「だから、団長が探してたって言ったでしょ?フェイタンは今本読んでるし・・・渡して来ようか と・・・・・」


言い終わる前に、フェイタンは を睨んだ。

フェイタンの鋭い目で睨まれた は、金縛りにあったかのように、動けなかった。


「そーいうことだたらワタシ行くね。余計なお世話要らないよ。」



フェイタンはそう言うとくるりと背を向け、奥へ引っ込んで行った。

は、フェイタンね後ろ姿を見送りながら、ぽかんとしていた。


(どーして睨まれたんだろう・・・本も不思議だけどフェイタンも不思議ー・・・・)


そんなことを考えていると、フェイタンが帰って来た。

そして、何も言わずに最初にいた所に座り、また本を読みはじめた。


「あ・・・あのさ、行ってくれたのはありがたいけど、どうしてわざわざ行ってくれたの?」

(ちょっと質問がいきなり過ぎたかな・・・)


「それ言わないといけないことか?」

「そんなことないけど・・・どうしてかなーって?」


の問いに、フェイタンは「ふー・・・」と小さくため息を漏らした。


「ワタシ変化系ね。変化系能力者は気まぐれ。ヒソカが言てたね。ワタシあいつのこと嫌いだけど ね。」

「・・・・つまり、気まぐれで行ってくれた・・・ってこと?」

「そーいうことね。」

「ふーん・・・でも、行ってくれてありがとうね」


と言うと、 は自分の部屋へ向かって行った。


フェイタンはそれを横目で見ながら、 が部屋に入った ことを確かめて、再び視線を本に移した。














あとがき

フェイは夢主のこと大好きなんだと思う
でもあの性格だからなかなか素直に言えなさそう

拷問の本とかって裏の世界では売ってそうじゃない
たとえ売ってたとしても旅団は買わないと思うけど
絶対盗んだやつ
クロロの探してた本も例外ではないです
フェイが一緒に持ってきたから



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