誕生日





「ねぇフォンドヴォー、明日何の日か知ってる?」

「明日?・・・何かあったか?」

「・・・・」


は、少し落ち込んだ様子でフォンドヴォーに背を向けて歩いて行った。

それを、フォンドヴォーはキョトンとして見ていた。

「オレ・・・何かしたか?」


フォンドヴォーは近くにあった岩に座って考えた。

考えてみたが、心当たりがなかった。

一人で云々言っていると、テトがやってきた。


「どうしたんですか?フォンドヴォーさん。そんな難しい顔して・・・」

「・・・・さっき に、明日何の日?って聞かれたんだ。それでな、何の日だ?っつったら落ち込んで向こうに行っちまったんだ。何の日だったかな・・・」

(明日・・・?明日って・・・・ の誕生日だわ。もしかして、フォンドヴォーさんはそのことを忘れてるのかしら・・・)


テトは鋭く悟った。

そう。明日は の誕生日。

フォンドヴォーはそれを忘れていたのだ。


「テト分かるか?」

「う〜ん・・・その前に、フォンドヴォーさんは のこと、本当に好きなんですよね?」

「!・・・ま、まあな・・・・」

「だったらすぐに分かりますよ!」


笑顔で答えるテトは、そのまま何処かへ行ってしまい、フォンドヴォーは再び一人で考えることになった。



その頃、 宅では―――



「ねぇ元気出して〜 〜」

「ブヒッブヒ〜!」

「何で好きな奴の誕生日を覚えてない奴を好きになるんだよ!」

「アイツもちゃんと覚えてろよなぁ。どーして覚えてないんだよ・・・」

「・・・オイお前ら。少し黙れよ。 の気持ちも考えてやれ」

「そうよ!リゾットの言うとおり、少しは のことも考えてあげられないの!?」


コロッケ、メンチ、プリンプリン、ウスター、リゾット、ポーの順に各々が意見を述べた。

を中心にして囲うように、5人と1匹で円を作って話していた。


「・・・でも、フォンドヴォー強いから、いろいろ頼まれたりして忙しいし・・・仕方ないよ」

「そんなことないわよ!きっと思い出してくれるわ!」

「・・・・うん。ありがと、皆」


そう言うと は自分の部屋へ行ってしまった。


































暫くすると、 の部屋のドアを誰かがノックした。


・・・いるか?」


フォンドヴォーだ。


「いるよ・・・」

「入っていいか?」

「・・・・・うん」


の返事を聞くと、フォンドヴォーは部屋に入ってきた。


「思い出したよ・・・明日、お前の誕生日だったな」

「!・・・うん!」


それを聞いた はとても嬉しそうに頷き、フォンドヴォーへ笑顔を向けた。


「すぐに思い出せなくて悪かったな・・・」

「ううん!いいの!すぐじゃなくても思い出してくれたじゃない!」

「・・・じゃあ、明日はとびっきり美味い料理を作ってやるからな!」

「本当!?すっごく楽しみ!!」




↓ちょこっとオマケ


良かったわね!思い出してもらえて・・・」

「そうだな」

「あーあ、もうちょっとで がオレ様のとこへ「誰がお前なんかのとこへ行くかっつーの!」るせー!最後まで言わせろー!」

「プリンプリンなんかより、このウスター様のとこへ来る確率g「 、すごく嬉しそうだな!オレも嬉しくなっちゃったもん!」・・・そっそーだな!アハ、アハハハ!!」

部屋の様子をドアの隙間からこっそり見ていた、5人の会話でした。














・・・うん
いろいろと反省してる・・・