「だからさ、クロロ。大人しく をこっちに渡してくれたらそれで今回の報酬はタダにしてあげるって言ってんじゃん」





・・・・・・・・





「誰がやるか。それなら有り金全部渡したほうがマシだ」






・・・・・・・・あの・・・・・・・・・・・






「じゃあ両方頂戴」







・・・・・・ちょっと・・・・・






「金はやるが はやらん。早く帰れ」






何でこんなことになってんの・・・・・・・



どうしてこんな事で1時間ずっと言い争ってんの・・・・





アジト





*1時間前




珍しくゾルディック家の長男があたし達のアジトに来た

どうやら、クロロに報酬を貰いに来たらしいけど・・・

何でわざわざ貰いに来たんだろう?

いつもなら口座に入金なのに・・・

しかも何か言い合ってるし


・・・・あれ

ゾルディックが急にこっち向いたんだけど

無表情なのが余計に怖いな・・・



「・・・・・え?」



・・・ちょ。え?こっち来てない?



「ちょっと来て」




・・・・・・・・・・

いやいやいやいや

ちょっとちょっとちょっとちょっと

待て待て待て待て



なにゆえ針の先端をこっち向けて言うの?

拒否権ないの?

拒否ったら殺されるかんじのアレですか?




他の団員達の目とかめっちゃ気になるんですけど

ねぇ皆助けてよ

皆いつからそんな薄情になったの?

なんで皆「え?自分関係ないし?」みたいな顔してんのさ




ちょっとちょっと

連行されてるんだけど

まだ間に合う

助けてくれ!!


・・・は?フィンクス何言ってんの?

口パクで何言って・・・

















えぇー!!!

頑張れって何!!

どゆこと!!?

あたしは何を頑張ればいいんだ!!



「生きて帰りなよ?」



マッ・・・マチっ・・・!!

それはっ・・・殺されるかもしれないという・・・マチの外れることのない勘ですか・・!!?

疑問形ということは殺される可能性が高いということか・・・!!!!????

それにボソッと言わないで!!

不安になるから!!!



あたしの叫びは誰にも届かないわけで

あたしの目の前にはものっっっっっっすごく機嫌の悪いクロロがいて

あたしの隣には当然のようにあたしの手を握ってるイルミがいて




・・・・修羅場じゃねーか・・・・




ああ、皆・・・

今までありがとう

でもね


お前らあたしが死んだら一人ずつ呪ってやるよ



「ねぇ 、聞いてる?」


ハッ!話全く聞いてなかった!!

テキトーに返しとくか・・・!!


「あ・・・あたしはスカートよりズボン派です・・・」

「?何言ってんの?」



分かってたよ・・・

だってテキトーに返したんだもん・・・

流してよ今の・・・



はオレ達と一緒に蜘蛛を続けると何度言えば分かる」

「まだ分からないでしょ。本人に聞かなきゃ」

「とりあえずその手離せ」

「いや」


「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」




・・・いたっ

痛い痛い

オーラの飛ばし合いすんじゃねーよ!!

地味にこっちに当たってるんだけど!!

2次災害出てるんだよ!!



という感じで1時間過ごしてるわけなんだけども

話が進んでないよ1歩も

時間の無駄遣いなんだよ!

あたしの1時間返せ!!


もう他の団員達部屋に帰っちゃったよ

あたしも帰らせろ!!

自分の部屋に!!




「ねぇ 。こんなオールバックの男と一緒にいるより、オレといる方がずっといいよね?」

「何言ってる。猫目のほうが気持ち悪いだろ」

「クロロこそ何言ってんの?コレ、チャームポイントってヤツだよ。知らないの?」

「ならオレのオールバックもチャームポイントだろ」



いや!

それはちょっと違うぞ団長!!



「クロロはさ―――」

「大体お前は―――」



あーもう一生やってろ

そしてあたしを帰らせろ




ピリリリリリ


・・・携帯鳴ってる・・・

イルミのか・・・


イルミは携帯の画面を確認すると、ずっと握ってたあたしの手を離した


・・・手が生暖かい!!

ずっと握ってるんだもん!!



「はあ・・・こんな時に仕事か・・・」



落ち込む時でさえも無表情なのかお前は

表情ってもんを知らないのかお前は



するとイルミはあたしの正面に来た

そして頭を撫でながら言った



「じゃあ、オレ仕事行くけど。本気で考えといてね。オレ達の家に来るように」


そしてクロロの方を向く


「仕事が終わったらまた来るよ。言っとくけど、報酬は だからね?」

「何度も言ってるだろ。 は渡さん。金を持って行け」

「分からず屋だなぁ」


お前も人のこと言えないからな!!


出口の方へ歩いていくイルミを見送って、あたしはその場にしゃがみ込んだ




「あーーーー・・・なーんか一気に疲れたー・・・」


不思議なほどに疲れた・・・

ほんとに疲れた・・・

もう寝ようかな・・・ってぐらいに疲れた・・・




「なぁ

「うん?」

「お前、ゾルディックへ行くつもりあるか・・・?」


神妙な顔して聞くから何かと思えば・・・そんなことか・・・


「ないに決まってんじゃん。そんなの考えたこともないよ?大体、そんなの団長が許さないじゃん。行けって言われても行かないと思うよ」

「そうか・・・安心した」


そう言ったクロロは自室へ帰って行った


・・・あたしの居場所はクロロのいるとこだもん


「さて・・・とりあえず問題は片付いたから、あたしも部屋に戻って休もう・・・」



立って歩き出した瞬間にハッとなった



「まだ問題片付いてないじゃん!!!!」






















あとがき

夢主の取り合い的場面
クロロ圧勝ですね

これから後も何回かイルミが押し掛けてればいいと思う
そしてことごとく玉砕してればいい
問題が片付いてないっていうのはそういう意味なつもり
夢主がそれに気付いて休みたくてもウダウダなって休めないとかいうフラグ


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