勝負











、リゾット、どちらか一緒にお買い物に行きましょう」








一緒に遊んでいた とリゾットは、手を止めて母の顔を見た

いつもと同じ、優しい笑顔






「母上・・・私達二人一緒じゃダメなんですか?」

「ダメってわけじゃないけど、二人ともつれて行っちゃあお父様が寂しくなるでしょう?」

「・・・それもそうですね」

「それじゃ、どっちが行くか決まったら、私の部屋に来てくださいね」

「はーい」






母を見送ると、二人は顔を見合わせた



そして、 とリゾットは互いの顔を見つめ合ったままゆっくりと立ち上がった

両者とも首を回したり、肩を回したり、屈伸、震脚と、体をほぐす動きを次々にしていった



二人とも充分に体をほぐすと、一定の距離を置いて向かい合わせに立った






「いくぞ弟よ・・・」

「いつでも来い」






窓から風が入ってくる

その風が、二人の髪を宙にふわふわと浮かせた





「よし・・・じゃあせーのでいくぞ」

「ああ・・・せーの」


















「「最初はグー!ジャンケンポン!!」」






「うあああああああああ!!また負けたああああああああ!!!!」

「フン・・・勝負あったな。土産は任せる」

「こんな暑いのに行きたくねええええええ!!」







今は夏真っ盛りだった

なので特に用事がない限り外へは出たくないのである


つまりジャンケンで負けた方が買い物へ付いていく・・・という暗黙のルールが出来ていた






「なんでリゾットのくせにジャンケン強いんだよおおおお!!」

「さぁな。・・・ココの出来が違うんじゃないか?」





そういってリゾットは自分のこめかみを指差した

それを見た はフルフルと小刻みに震えた





「何だソレ・・・!私があんたより馬鹿だって言いたいの・・・!?」

「簡単に言えばそうだな」

「言ってくれるな弟よ!けど忘れるな!お前より私の方が体術は得意なんだぞ!!」

「分かったからさっさと行けよ」






そう言われた は、喧嘩の元を思い出して一気にどんよりとした空気を醸し出した





「はぁ・・・なーんかムカつくなお前の言い方」





その言葉を最後に は、リゾットを一睨みすると部屋を出て行った












あとがき

急に、準備運動してからのジャンケンする王子と夢主が書きたくなりまして・・・
そこだけ書きたくなったんで短い出来です

姉弟って設定ですね
夢主はリゾットと4〜5歳くらい離れてたらいいです

多分今回の話は
王子7〜8歳
夢主11〜12歳
くらいの時の話だと思います