神に誓って
2月14日。今日は、女の子が男の子へチョコを渡す、バレンタインデーだった。
そして、このウェルウェル=ダンダン村に、朝からチョコ作りに励んでいる一人の娘の姿があった。
彼女の名前は。れっきとしたこの村の住人だ。
だが、生まれた時から村にいたわけではない。昔は都会暮らしだった。
幼い頃に両親を亡くし、一人で生きていかなければならなかった。
は昔から人混みが嫌いで、田舎でゆっくりのんびり生きてみたいと思っていたのだった。
そして辿り着いたのが、このウェルウェル=ダンダン村だった。
村人たちは、そんな を快く村に入れてくれた。
彼女にとって、この村が全てとなっていった。
さて、そのは今、街で買ってきたチョコを溶かしているところだった。
「Tーボーン・・・バレンタインデーのこと覚えてるかな・・・?」
この村は田舎過ぎるのか、バレンタインデーのことを知らなかった。
Tーボーンに聞くと
「“ばれんたいんでー”?何だっぺ?それ」
と言われる始末だ。
「・・・はぁ、いい?バレンタインデーっていうのはね、女の子から男の子にチョコを渡す日なの。」
「ふ〜ん、そんなのあるんだっぺか〜」
「最近はね、友達同士でチョコを交換する“友チョコ”とか、男の子から女の子へ渡す“逆チョコ”っていうのがあるんだよ。」
「へ〜!何か面白そうだっぺな!!」
以前したTーボーンとの会話を思い出して、は小さく笑っていた。
(あの時のTーボーン、目がすっごくキラキラしてたな〜)
あの時のTーボーンは、少年が初めて蝉の抜け殻を見つけて、お母さんへ見せて いる時の顔だった。
そして直後にお母さんの断末魔のような叫びが響き渡るだろう。
「よし!あとは固めるだけ!!」
は溶かしたチョコを型に流し込み、冷蔵庫へ入れた。
*約3時間後
「おっ!!出来てるー!!」
は冷蔵庫から取り出したチョコを見て言った。
「あとは飾ってラッピングするだけ・・・っと・・・」
そして、チョコと一緒に買ってきたオシャレな小袋を取り出して出来たチョコを 入れた。
料理なんて滅多にしないが、はラッピングしたチョコを見て、
(結構いい感じかな?・・・味はともかくとして・・・)
と思った。
(早速渡して来よう!!)
は家を出て、Tーボーンの家に向かった。
Tーボーンがいるなら自宅で昼寝をしている、と考えたからだ。
「こんにちは、おばさん!Tーボーンいる?」
「あら、。あの子なら部屋にいるっぺよー」
「ありがとう!」
それを聞くと はTーボーンの部屋に行った。
そして勢いよくドアを開けた。
「Tーボーン!!」
勢いよく開け、しかも名前まで呼んだのに案の定Tーボーンは寝ていた。
当然いびきもかいている。
「ねぇTーボーン!起きて!!」
「ん〜・・・んあ? ・・・?何か用だっぺか?」
「寝ぼけてないで・・・・ハイ!これ!!」
と言って は先程作ったチョコを渡した。
「・・・何だっぺ?これ」
「も〜まだ寝ぼけてんの?それとも覚えてないだけ?」
「両方だっぺ!!」
「何の自慢にもならないよ・・・いい!今日は「あー!!そうだっぺ!!そうだっぺ!!思い出したっぺー!!」・・・・え?」
Tーボーンはヒョイっと体を起こし、部屋の隅っこへ行ってガサガサと漁り始めた。
はそれを呆然と見ているだけだった。
そしてTーボーンは小さな袋を持って戻ってきた。
「!今日は何の日か知ってるっぺ?」
「え?いや、それ今私が「今日は“ばれんたいんでー”だっぺよー!!」・・・ウン。ソウダネ・・・・」
は得意げに言うTーボーンを見た。
凄く眩しかったと言うだろう。
「だから、これやるっぺ!」
「ハ?・・・え?これって・・・」
「世に言う逆チョコだっぺ!!」
「えっ・・・・?」
Tーボーンは の前にその小袋を差し出した。
は目を見開いて小袋を見つめた。
まさかTーボーンがバレンタインデーを覚えていて、しかも自分に逆チョコをくれたことに驚いたのだった。
「・・・いらなかったっぺか?」
が固まって受け取らないものだから、Tーボーンが少し落ち込んだような顔をしての顔を覗き込んだ。
「いっいや!?そんなんじゃない!!すっごく嬉しいよ!!ただ、逆チョコ貰えるなんて思ってもみなかったから・・・」
「・・・・本当だっぺか?」
「本当本当!神に誓って!!」
「なーんだ!そうだったんだっぺかー!心配して損したっぺー」
「アハハハハ!
「味の保障は出来ないけど・・・ってあー!!もう食べてるー!!じゃあ私も食べてやる!!」
「・・・・」
「・・・・」
「「美味しい!!」」
二人の声が重なって、 とTーボーンは笑った。
その後、暫く二人の笑い声が村に響いたらしい。
「ねぇTーボーン」
「?何だっぺ?」
「私、これから先ずーっとTーボーンが大好きだよ!!」
「おう!オラもだっぺ!!ずーっと
が大好きだっぺよ!!」
間違いに気付いて修正しました
大変申し訳ありませんでした・・・・・orz
_| ̄|○スイマセン _| ̄|○))ユルシテクダサイ _|\○_ コノトオリデス