一人旅って難しい
全部のことを一人でしないといけないんだもんな
至福のひと時
料理や洗濯や・・・何から何まで自分の力でしないと生きていけない
一人旅とか、一人暮らしって大変だな〜・・・
特に私が苦手なのは料理!
興味本位で一人旅始めて一ヵ月くらい経ったけど、今まで町でレトルト食品買って食べてたからな
そろそろ私のお財布もヤバいから、今こうして木の実とか探してるんだけど・・・
悲しい程に見つからない
もう嫌だよ歩きたくないよ
でも探さなかったら私死んでしまう
なんて絶望感
「どっかに食べられるモン落ちて・・・」
サクッ
足元に感じる違和感
今まで歩いてきた道は落ち葉がびっしりでサクサク音が鳴るのは気にならなかったけど
なんか違うんだ
こう・・・浮遊感というか・・・
ズルッ
「ぅおわっ!!!」
え!?い、今一体何が!?
な!!?ハァッ!?お、落ち・・・えぇ!?うそん!!
穴に落ちただと・・・!!?
「かかったな・・・」
「どんなバンカーが・・・って・・・この女バンカーじゃないんじゃねぇの?」
「言われてみれば・・・確かにバンカーマークねぇな」
「チッ、ハズレか」
「ちょっと待てよお前ら。何のつもりだコレ」
急に落とし穴に落とされて?
バンカーじゃないからハズレだ?
冗談じゃない!!
「あぁ?」
「何のつもりだって聞いてんだよ」
さっきの会話からして、コイツらバンカーだな
服にもバンカーマーク付いてるし
「バンカーでも探してたのか?」
「そりゃあ俺達はバンカーだからな!バンカー同志が禁貨をかけて戦うんだよ!」
「こんな古典的な罠にかかる奴ほど弱ぇ奴はいねぇからな!!」
なんか今馬鹿にされた気がするのは気のせいか?
まぁいい・・・相手は三人か
「つまり私が弱い・・・と言いたいんだな」
「ま、バンカーじゃねぇし、かかるのも仕方ねぇな。ハッハハハハ!!」
「じゃあそんな古典的な罠にかかった私はお前達より強いというわけだ」
「ハハハハ・・・は?」
「こんな罠張るような奴は一番弱いんだ・・・っよ!!」
私は近くにあった小石を一人の男の顔に思いっきり投げた
見事に命中
「この・・・女ァ!!」
「おっと。こっち穴ン中なんだけどーそれは卑怯じゃねーのー?」
小石を投げた奴じゃないもう一人の男が反撃してきた
ギリギリでかわしたけど・・・
「この・・!!」
「伊達に一ヵ月一人旅してる訳じゃ・・・ぅ・・・!」
く・・・っそ・・・
ヤバいお腹減りすぎて反撃できな・・・
「シャドウブレイク!!」
「なっ・・!?う・・・動けねぇ!?」
だ、誰だ・・・?
「バンカーでもない女性を相手にするなんて、最低だな」
「誰だてめぇっ!それにこの喧嘩はその女が・・・」
「落とし穴なんて姑息なマネするお前らが元凶だろうが!!」
人のせいにしやがって!
バンカーってロクなヤツいないんだな!!
「まぁとにかく・・・アンタ、大丈夫か?」
「ん?私?まぁ・・・大丈夫・・・かな」
「ならいい。ホラ、上がれよ」
そういって助けてくれた男は私に手を差し伸べた
とりあえず引き上げてもらおう
「よ・・・いしょっと」
「確かに、怪我はないようだな。じゃあオレはこれで」
「ああ。助けてくれてどうm・・・」
グルルルルル〜・・・・
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
鳴ってしまった・・・・
とうとう私の腹の限界がきた・・・
しかし恥ずかしい
なんてタイミングで鳴るんだ私の腹
しかも結構デカい音だったぞ・・・
「もしかして・・・腹減ってるのか?」
「・・・・やっぱ聞こえた?」
「ああ・・・。悪かったな」
「いやいいんだ・・・。私の腹が鳴ったからアンタは悪くないって・・・とりあえず、私は食料探しを続けるさ」
それにしてもほんとに何も落ちてないな・・・
今日も飯ナシか〜・・・
「よかったら、オレの作った料理食うか?」
「だろ〜?木の実の一つも落ちて・・・え?今なんつった・・・?」
「オレの作った料理食うか?って言ったんだよ。まぁまだ作ってないんだけどな」
私は夢を見ているんだろうか?
いやでもさっきの落とし穴に落ちた時の痛みは本物だ
まさか・・・まじで?
「い・・・行っても・・・おっけー・・!?」
「ここで会ったのも何かの縁だ。来いよ」
「行く行くー!!」
なんて良い奴なんだお前!!
初めて見た時ガラ悪いと思ったけど見直した!!!
「実を言うとさ、昨日から何も食べてないんだよ!助かったー!」
「いろんな意味で大丈夫じゃないだろそれ・・・。そういえば、自己紹介がまだだったな。オレはフォンドヴォーだ。よろしくな」
「私はだ。こちらこそよろしく」
これって運ってやつだよな・・・!?
私にもまだこんな運が残っていたとは・・・!!
暫く歩くと、キャンプなんかで見かける携帯式のキッチンが置いてある広場へ出た
多分料理の準備とかしてる時に来てくれたんだろうな
「それじゃあ人数も二人になったことだし、チャーハンでも作るか!」
「おぉー!なんか手伝うことあるか!?」
「んーじゃあな・・・玉葱切ってくれ。そこの袋に入ってるから」
「らじゃー!」
教えられた袋から玉葱を取り出して、皮を剥いて、みじん切りにして・・・・
・・・アレ
涙が・・・
くっ・・・目がぁあ!!
「な・・・何やってんだ。大丈夫か?」
自分でも気付かない内に蹲っていた
くそっ玉葱が目にしみること忘れてた・・・!!
「だっ・・・大丈夫じゃ・・・ない」
「も、もうお前あっちで休んでろ。完成したら呼んでやるから」
「お・・・おう・・・」
腕まくりしたフォンドヴォーに言われて、私は大人しくテーブルで待つことにした
そうだ、私料理苦手だったんだよ忘れてた、嬉しさのあまりに忘れてたわ
キッチンでジュワッという音が聞こえる
そしてこんがりした美味しそうな匂いも・・・
ああもうその状態でいいから頂戴
ねぇ頂戴よ、今の私なら半生でもイケるかもしれないから
「できたぞ!」
「え!?もう出来たのかよ!!早いなー」
「そうか?大体こんなもんだと思うが・・・」
「まいっか!何はともあれ、いっただっきまぁーす!」
久々のちゃんとした料理・・・!
まずは一口・・・
「お・・・美味しいじゃんかっ・・・!!」
「美味いか?なら良かった」
口の中に広がる玉葱のほんのりした甘さ・・・
豚肉の柔らかさ・・・
ネギのちょっとした苦み・・・
そしてなんと言ってもこのタレ!!
全てにおいて美味しすぎる!!
こんなチャーハン食べたことない!!
「これなら何杯でもいける!・・・おかわり!」
「おいおい、ちょっと早すぎないか?」
「気にしない気にしない!こっちは昨日から食べてないんだから!!」
苦笑いでフォンドヴォーが言ってるけど聞こえぬな!
今は食べることに集中!!
「まぁ・・・作った側として嬉しい限りなんだがな」
「なら何も言わずに食べなさーい!HAHAHA!」
あー幸せ
こんな料理が作れたら私の旅も少しは楽に・・・
そうだ!!
「フォンドヴォー!!!」
「グフッ・・・!な、何だいきなり・・・」
「私に料理を教えて!!」
「別にいいが?」
え。意外に即答だった
迷うかと思ったのに
「じゃ、暫く一緒に行動だな」
「りょーかーい!あ、でもフォンドヴォーってバンカーだろ?私バンカーじゃないけどいいのか?」
「料理の弟子なんだ。バンカーとか関係ないだろ?」
「そりゃそーかもだけどさ、他のバンカーとかに襲われたりしたら私はどうすればいいんだよ?」
少しぐらいなら対処できるけど、バンカーじゃない私には限界がある
うん・・・陰で体術も鍛えとこうかな
「・・・そんなのはオレが守ってやるよ」
「へ?ごめん考え事してて聞いてなかった。何て言ったんだ?」
「いや・・・なんでもない」
??
どーしたんだフォンドヴォーの奴・・・
んまあいいか!!
とりあえずチャーハン食べよっと!
神無様に4周年のお祝いに捧げた作品!
料理してる兄貴ってリクだったけど・・・実際リクに答えたのはちょこっとだけですごめんなさい
強気の夢主だよ!
多分この夢主は兄貴より2、3歳下だったらいいと勝手に妄想←
書かせていただいてありがとございましたー!
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