「おーい、!釣りやろうぜ!!」

「釣りぃ?」


003:対決




「別にいいけど・・・何で急に?」

「お前いっつも部屋にいるか日向にいるかだろ?船の生活に慣れてねぇのもあると思うけどよ、退屈してんだろ?」


も、元親っ!!

私に気を遣ってくれるの?


「元親っ・・・ありがとう!」


もう元親大好き!!

こんなこと言われたら誰でも大好きって言っちゃうと思うよ!

それとも私だけ?



「よし!釣りしよう!!」

「と言いたいところだが・・・」

「?何??」

「ただ釣りするだけじゃあつまんねえだろ?」

「つまり?」

「釣り対決しようぜ!!」

「は?」


対決?釣りで?え?

そんな眩しい笑顔で言われても困る・・・

その前に、


「何で!?私ほとんど釣り初心者(覚えてないけど)なのに!!対決なんて無理!!元親の方が絶対に有利じゃん!!」

「誰も個人で対決なんて言ってねぇだろ?団体戦だ、団体戦!」

「団体戦?じゃあどうやって分けるのよ」

「ちゃんと考えてるって!俺の部下共も半数以上をに渡す。それでできたの軍と俺の軍で勝負だ。文句ねぇだろ?」


えぇ〜・・・聞いてないよそんなの

でも結果的には私の方が人数も多いから勝機はこっちが高いよね・・・

だったら!!


「受けて立つわ!その挑戦!!」

「そうでなくっちゃなぁ!!」

「じゃあ皆ー!行くわよー!!」

「っと待った」

「今度は何?」

まだ何かあるの?

元親の人生ってやることいっぱいで退屈しないんだろうなぁ


「ただ勝っても面白くねぇよな?」

「はぁ・・・」

「そこでだ!負けたら罰として一週間この船の掃除するってぇのはどうだ?」

「えー!?」

「んな顔すんなって!勝負に勝ちゃあいい話だろ?」


それもそうだ。ただ勝てばいいだけのこと。

勝機はこっちが・・・ブツブツ


「わかった!やってやろうじゃないの!!」

「それでこそ俺の知ってるだぜ!」


ん?私どっかでキャラ外したっけ?

まぁいいか。


「気を取り直して・・・皆ー!行くわよー!!」

「アネキー!!」


最近気付いたけど何で皆私のこと「アネキ」って呼ぶんだろう。

呼びやすいならそれでいいけど


「じゃあ俺が合図すっから!始まって夕暮れ時までな!魚が多く釣れた方が勝ちだぜ!」

「臨むところよ!」

「よっしゃあ!行くぜぇ!野郎共!!」

「アニキー!!」


ちょ。何皆で餌投げてんの?

もしかして今のが合図?


「もっと分かりやすい合図にしてよぉぉぉぉ!!出遅れたー!!」

「合図なんて出すやつの好みなんだよ。なぁ!野郎共!!」

「アニキ!アニキ!アニキ!」

「ふざけんなぁぁぁ!合図は皆分かってるから合図なんでしょぉぉ!?」

「ああ?んな事言わなくたって皆知ってるよなあ?」

「アニキー!!」

「うっそ!私だけ分かんなかったの!?どうして誰も教えてくれなかったのー!!?もう出遅れた分根性で何とかしてやる!!」

「アネキー!!」

「こりゃあ、3週間前に海に落ちてきた奴とは思えねぇな!!」

「健康体と言ってくれる!?」


元親が無駄口叩いてる間に釣ってやる!!





























そして結果


元親軍 72匹

軍「38匹



「ま・・・負けた・・・だと・・・?私の方が人数も多かったのに・・・!?」

「はっはー!俺らの圧勝だな!!っつーわけで一週間掃除よろしくな!!」

「チックショー・・・次は絶対に勝つ!!」

「俺に勝てるとでも思ってんのかぁ?俺は鬼ヶ島の鬼だぜ?」

「それで勝ったらかっこいいじゃない」

「勝てたらな」


互いに嫌味を言いながら掃除をする私であった。












ヒロインがフツーに「キャラ」って言っても気にしない
だって夢小説だもの


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