008:智将はやっぱり智将だった



「では後ろを向くがよい。縄を解いてやる」




・・・・はっ!!閃いた!!

これ解いてもらったら隙を見て逃げよう!!




「できたぞ」

「いやーどーも!!それじゃあ私船の中見てきますね!!」



よっしゃ!

あとは来た道戻って元親の船に乗るだけ!!

きゃっほー!!自由ってなんて素晴らしい!!

お!潮のにおい!!もうすぐだー!!




「ああ・・・出れた・・・!これで私は自由にっ・・・・」



・・・・・・・

あれ?あれあれ?れれれ?



・・・・・・・・

あの・・・・・陸は?



それに・・・何か・・・地震起きてない?

船揺れてない?大丈夫なの?



まさか船出てるってことないよね?

まさかね。ないよね

信じるもんか!!





「貴様の行動など計算の内よ」

「出たー!!緑!!」

「黙れ」



くっそ船出してやがった!!

帰れないじゃないか!!

そうだ!!




「あの・・・その・・・」

「何ぞ」

「駒にするなら・・・修行してください!!」



今の私じゃ到底この船から出ることは不可能

見張りとかがいるし、潔く戦いを挑んでも負けるしか考えられない!!



よって強くなって見張りを倒して船を出ることにしよう!!

それなら帰れる確率も上がるしね!!



強くなれるし、一石二鳥!!

承諾しろオクラ!!!



顔に出ないように慎重に頼まないとね・・・




「なぜだ」

「強く・・・なりたいんです」



こう・・・健気っぽいフリをするのが重要なのね・・・・

そしたら受け入れてくれるかもだし!!




「我に頼まずとも、長曾我部の所でやっていたことを勝手にすればよかろう」



・・・・・言われてみればそうなんだけど元親のとこでやってたのって・・・・掃除だけな気がするんだけど



「ちょ、ちょっとそれは・・・・できない・・・ですね」




まぁ怪しまれるのは当然だわ

私だってこんなの言われたら怪しむもん

しゃーないわ



「・・・まぁよいわ」

「え!?本当ですか!!?」



まさか上手くいくとは!!

でもやたー!!嬉しいななんか!!



「我が忠実なる下僕になると誓うならな」



・・・・駒じゃだめですか

「忠実なる下僕」ですか



・・・・なってやろうじゃんかっ!!

いつか抜け出すし!!




「分かりました・・・よろしくお願いします」

「む。分かってはいると思うが、少しでも妙な真似をしたら・・・・」



チャキン



「斬る」

「う・・・はい・・・」



こわいなこの人・・・・

でも仮に抜け出せたとしても、その後に見つかったら・・・・私終わりじゃん!!?




「では茶を持て」

「・・・はい?え?修行は?」

「後でよい」

「・・・・・・・」




まぁ・・・どんなことされるか分かんないし・・・後でも・・・いっか・・いいよね・・・





「そーいえば元親のことすっかり忘れてた!!名前とか憶えてたけど存在を忘れてた!!どーしようきっと探してる・・・」

「黙れ。うるさい」

「ごめんなさい・・・」





元親ゴメン・・・・暫く帰れそうにない・・・・















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